鉄の首

「氷の足（妻を救った足つぼの話）」との戦いから22年の月日が流れました。

昨年2021年3月に整体院を開業して7ヶ月が経過したある日、その女性は来院されました。

更年期から来る不定愁訴やPPPD（持続性知覚性姿勢誘発めまい）に悩み、数々の病院や治療院を回って、なんとか少しでも症状を改善させたいという強い熱意があり、不調の原因が身体の凝りや「首」にあるのではと、当院をネットで見つけて頂き来院されました。

　その方（Sさん）の施術開始で、思わず息を飲みました、、、

あまりの背中の硬さに「！？」
「これは、、、ガングリゴン！？」

以前「氷の足」で感じた鉄板のように固まった筋肉。
緩まない筋肉。
手技を受け付けない強靭な凝りに冷や汗が、、、
 

そして、身体の施術後、後半は「首」の施術へ

首の状態を触診した瞬間の衝撃は

「！！！！！！！？　これは鉄？？」

既に筋肉の状態を無視するかのような硬さで首自体が鉄の塊になっていました。首の専門院として開業しましたが、こんな首を触ったのは初めてで、手技を充てても全く緩まず、施術後、途方に暮れました。

ご本人は「気持ちよかった〜」

「通ってみるわ」

と、満足気に話されたので、私も
「1回では凝りは取れませんが回数かければ取れますので」
（内心、「毎日やれば何とかなるかもですけど、、、、、、汗」）

　Sさんは、当院を信頼してくれて、毎週必ず通ってくれました。

『いつの日か首こりが取れると信じて』

それから2ヶ月が経っても「凝り」が取れる気配はなく、以前よりはいくらか柔らかくなった程度の進捗でした。

それでもご本人は随分と楽になったようなので、効果は無くはないのですが、初日に約束した「回数かければ取れますので」と言った言葉とは正反対に毎週元に戻ってしまう有様で、凝りを取るどころか少し改善して、また戻る。を毎週のように繰り返しました。

この時点で手技の敗北を悟りました。
「このままではいつまで経っても凝りは取れない」

約束を果たすためには「凝り」を取る方法を編み出さなければなりませんでした。

実質、「鉄の首」に首の専門院は完敗しました。

目の前に立ちはだかった大きな壁。

「鉄の首」

ただ、この首を退治しない事には「首の専門院」が聞いてあきれるって事になります。。。

昔と同じ感情が湧き上がってきました
「この凝りは俺が倒す！！」

Sさんは「先生！私を実験台にどんどん使ってください！」

と、超前向きに首こり除去にむけて協力してくれました。

そのお陰で試したい事すべてが実際に最強の「首こり」相手に行える、生きた手技の開発がスタートしたのです。

「鉄の首」が緩む技を、他のお客様で行うと一瞬で凝りがとれるようになり、月を追う毎に精度と施術箇所や狙う筋肉が明確になり、手技が磨かれて行きました。

2022年4月には、殆どの首こりに対して１〜２回で首をふにゃふにゃに出来る手技へと昇華していました。

それでも「鉄の首」を完全に倒すことはできず、何度も首の解剖学を見直し、どの筋肉を重点的に行うかを再考し、凝りを取るためだけの様々な技を編み出しました。

凝りを潰す技
凝りを緩める技
凝りを分断する技
凝りを溶かす技
凝りを浮き出させる技
凝りを散らす技
凝りを消し去る技

これらを駆使して各部位の凝りを除去します。

自宅に帰った時は妻で揉み返しのテストを繰り返しました。

そして生まれたのが、オリジナル整体手技「ネックリセット」です。

完成したオリジナル整体手技「ネックリセット」は、「鉄の首」を退治する為に編み出された技なので、鉄の首ではない首は1回で筋肉をリセットする力があります。ネックリセット完成後の施術からは、みるみる「鉄の首」が緩み始め、週を追う毎に凝りが小さくなって行きました。

手技が凝りを凌駕し始めたのです☆彡

そして、遂にネックリセット施術8回目。
実にトータル施術数35回目にして、完全に「鉄の首」は消滅したのです。

普段施術中は話さないのですが、あまりの興奮に

「Sさん、取れました！」

Sさん「え？寝てたから先生が何したのかおぼえてない！^^;」

施術後はハーブティー「レモンジンジャー」で乾杯しました(*^^*)

私が約束を果たせた達成感に感極まっていると

Sさん「先生！次は肩甲骨の実験いかがですか？」

私「、、、う、うん考えておくね^^;」

その夜のビールは今年一番美味かった
源式整体院 AYUMU